生きる意味を見つける日記

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【エロゲ】忠臣蔵46+1 ※ネタバレ有り【感想・レビュー】

【概要】
プレイ時間・・・約42時間

エロシーン・・・合計11回

総CG数・・・枚155枚(差分は含まず)

ルート・・・全5ルート

ストーリー・・・★★★★★

BGM・・・★★★☆☆

CG・・・★★★☆☆

点数90/100


【シナリオ内容】※以下ネタバレ

假名手本忠臣蔵編・・・大石 内蔵助√

忠臣蔵としての基本を辿る√です。年末に姉と訪れた泉岳寺のおみくじで大々凶を引いてしまった主人公である深海直刃は現代から江戸時代にタイムスリップして元禄14年に飛ばれてしまいます。
矢頭家の養子であり長男の深海直刃という同姓同名の男と中身の人格が上書きされる形で入れ替わり、混乱から未来の話をしてしまい内蔵助の目に留まった直刃はその後討ち入りまでの間御城代と行動を共にします。
現代ではやりたいこともなくただぼんやり生きたいた主人公、以前打ち込んでいた剣道もある事件を境にやめてしまっていたが、この時代で生き残るため、そして仲間を守るためにもう一度竹刀を握り剣術に励んでいきます。

元の世界に戻るためには、泉岳寺のおみくじに秘密があるのではないかと調べていくうちにある直刃は呪いが自分にかけられていることを知ります。
直刃の呪いを解き彼を元の世界に返すことを約束する御城代、そして運命の日が訪れる・・・
この√では主人公の成長もそうですが、平時は昼行灯と呼ばれていた御城代のお家再興、周囲からのプレッシャーなど討ち入りまでの葛藤などがしっかりと描かれていてとても楽しかったです。
御城代はかなりの切れ者でありその立場から本心を明かすことはありませんが、彼女を信じていれば大丈夫だという安心感と彼女を支えたいと行った気持ちが主人公と共感でき個人的には一番好きな√です。



江戸急進派編・・・堀部 安兵衛√

ここからループが始まり2周目の元禄14年が始まります。
江戸急進派とは浅野内匠頭の刃傷の後、幕府が内匠頭に即日切腹を命じたのに対し、吉良家に対しては何もお咎めがなかった喧嘩両成敗を無視した片手落ちの裁き不満を持った江戸詰の人たちです。
彼女はその江戸急進派のリーダー格で殿の仇討ちを主張しています。假名手本忠臣蔵編では御城代の悩みの一つであった仇討ち陣営。
この√ではまた違った視点で江戸急進派の人たちが討ち入りまでの間何をしていたのが分かります。

直刃は自身がループしていることを知り最初は驚くものの、今回は1人で全てを解決するため単身江戸へ向かいます。
宿場町で偶然出会った安兵衛たちに異常な殺気を放っていたため、吉良を打つため赤穂藩から着たこと見破られます。吉良邸の警護が厳しいため仇討ちは不可のだと咎められ
安兵衛たちと共に赤穂藩に戻ることになります。
その後、彼女から江戸急進派に入るよう説得された直刃は安兵衛たちと生活を共にします。
假名手本忠臣蔵編では江戸急進派が何をしていたのか全く分からなかったのですが安兵衛と同じく江戸急進派のリーダー格の郡兵衛の脱盟理由など2つのシナリオが1つになる過程がとても楽しかったです。
彼女はこの時代でも武士としての矜持を持っており厳しくとも真っ直ぐな人間性がとても魅力的でした。

百花魁編・・・大石 主税√

3周目のループにより心身が衰弱してしまった直刃はこの時代では自分はもう赤穂の人たちと関わらないことを誓います。
1度のループが約2年と長くループをすれば当然周りは自分の事など覚えておらずここまでに多くの仲間が死ぬところを見ているので自分が関わらない方が物事が好転するのではないかと思うようになります。
にも関わらす彼女を野良犬から助けたことにより一目惚れされたことで許嫁にされてしまいます。ですが赤穂が取り潰しになった後許嫁の話はなくなります。
それでも彼女は直刃を思う気持ちは変わりませんでした。
その後、同士である萱野が刺客により殺害され赤穂浪士と関わりを持った自分のせいだと発狂し、廃人になるが主税の献身的な介護により回復し自分の運命を彼女に話し自分を助けて欲しいと願い彼女もそれを受け入れます。

この√は開始時に現代に戻っているためクリアする頃にはある程度の決着が付くことは分かっていましたが、やはり主税と分かれるのは悲しかったですね。

仇華・宿怨編・・・清水一学√

このルートは主税√で現代に戻ってきたところから始まります。
現代で甲佐一魅と名乗る女性から赤穂浪士の話はまやかしであると言われます。彼女の姿は各√で仇討ちの際散々苦しめられた吉良家の家臣清水一学にうり二つでした。
彼女は大々凶のみくじによりタイムスリップができることを知っており、直刃にも自分と一緒に江戸に来るよう促します。
直刃は主税の思いを無駄にしたくないため戻ることを躊躇しますが、赤穂浪士の歴史を守るためもう一度元禄時代へ戻ります。
この√では前回勝手に江戸に行った失敗から御城代に取り入り城代の命として江戸へ向かいそのまま単独で江戸に潜伏し、その間一学から自分が知らない赤穂浪士の歴史を聞かされ
自分が知っている事との齟齬から赤穂の歴史に疑惑を持つようになりつつも、陰から浪士たちを支える日々を送ります。
一学が度々妨害工作を行ってくるものの結局歴史の強制力に勝つことができずただ歴史の出来事をなぞる結果になり、直刃から歴史を変えることは不可能で有りその歴史は俺たちに悲惨な死を見せつけるだけだと一蹴されます。
最初はその意味が分からなかった一学ですが、その意味を知った彼女は後に引けなくなり単身内蔵助の元へ向かいます。彼女は内蔵助が世間で言われているような忠心ではないと現代の歴史的事実から推測しており内蔵助に会った際も朝廷と通じている事実から朝廷に取り入って命を助けてもらおうとしているが朝廷はお前たちを助けはしないと言い放ちます。
ですが内蔵助から朝廷を信じていないし命も預けていないと言われ彼女らは本当に忠義のために仇討ちをするのだと、自分の考えが間違っていたことを知り一学は内蔵助を打つことができませんでした。
目立つ行動行っていた彼女は自信が取り入っていた上杉家家老色部の刺客である新八により軟禁されますが、それを知った直刃に助けられ直刃に全てを話し呪いを含めた黒幕がいることを打ち明けます。
討ち入りの日に一学は内蔵助に一騎打ちを挑むも破れ直刃と共に姿を消しました・・・

一魅は吉良家の末裔であるため赤穂浪士の負の部分しか認めず盲目的な憎悪を持っています。反面直刃は今まで一緒にいた彼女たちが正しいと時間を共にしたからこその正の部分しか見ていません。
なので純粋な口論では平行線になってしまいます。それでも一学は最後直刃と協力することを選びました。彼女はタイムスリップをしただけでループをしていないため直刃のように達観していません。
絶対に過去を変えると言った信念の元この世界に来たのにもかかわらず失敗に終わりました。しかし、このゲームで一番変われたのは彼女ではないかと私は思います。

刃・忠勇義烈編・・・矢頭 右衛門七√

このルートは真√になります。直刃はお家取り潰しの後矢頭一家と上方で過ごすことになります。黒幕に狙いを悟られないため比較的目立たないよう行動しています。
最後のルートなのでネタバレを伏せながら紹介します。
このルートは他に比べやや冗長に感じました。まぁ、今まで全く絡みのない上方の話なので仕方ないのですがもっと爽快感がほしかっです。時間的にも一番長かったです。
右衛門七の成長に関しての話は良かったですし小夜や家族のやりとりも良かったのですが、続きが早く知りたいこちらとしてはギャグパートが完全に不要でした。
しかも内容は天丼でクスリともしません。今までもギャグパートがなかった訳ではないですが佳境に入ってからいらないでしょと
他のルートと違い目立った行動ができないため中盤を過ぎるまでは特に進展らしい進展もなく右衛門七の修行が始まったあたりでやっと物語が進み始めます。
正直少し退屈でした。
ですがここまで来ても未来を変えられないのかと読者を騙す展開や右衛門七が得物を刀から槍に変わった理由が分かったのは良かったです。
右衛門七頑張ったな・・・
最後にしては若干シナリオのパンチが弱かったですね。ただやっと迎えたハッピーエンドという意味では満足感のある√でした。

【総評】

発売が2013年と古ゲームですがそれを差し引いても絵柄が若干人を選ぶ作品だと思います。ですがプレイして損はない作品だと思います。FDも買うつもりですし、この会社の他の作品の購入も考えています。
ループもので主人公と赤穂浪士の群像劇というのは凄く面白かったです。全てをクリアすれば点が線になる作品は個人的に大好きです。
どうして?思った所々で裏ではこんな理由がありましたというのが丁寧に描かれていました。主人公が突然いなくなったりしたシーンも後に回収されるのも良かったです。
伏線とは違いますが展開の運びがうまい作品でした。
個人的には当時はやっていたネットネタギャグは人を選ぶので好きではないですが、ゲーム全体としてはお勧めです。プレイしてもらえたらうれしいです。